非可換電気力学の電荷の解釈について:  因果律の保存

 

Electrodynamics

#29 On yhe Interpretation of the charge in Non-Abelian Electrodynamica:

    Conservation of Causality

 

概要

 

 非可換電気力学の理論において、素電荷は、ポテンシャルの0でない交換子に左からかける時の、場のテンソルの基本的定義に現れる。この論文では、普遍的定数の意味が、生成源と場の結合定数として解釈され、従って因果律は保たれ、場は常に生成源の電子により作られ、この生成源の「指標」は常に場のテンソルとそれに付随する非可換の場の方程式に存在する。可換(即ちマックスウェル-ヘビサイド)電気力学にあるような、生成源のない領域は存在しない。生成源のない領域の概念は、原因(生成源)のない結果()を意味しており、これは因果律に反し可換電気力学の基本的自己矛盾である。

 

1 序論

 

 現代的ゲージ理論は、電気力学をU(1)とは異なる内部ゲージ対称性を持つ非可換ゲージ理論に一般化しようとする、1955年のヤンとミルズの試みにより導かれた。最近になって、非可換電気力学についての考えは広範囲に発展され、{2−12} そのセクター対称がU(1)であるところの有名なマックスウェル-ヘビサイド方程式により表現され、現在受け入れられている可換理論よりも、より整合性があり、体系において遥かに豊かである事が見出された。電気力学は、円偏光から導かれる非可換内部ゲージインデックス、{(1),(2),(3)で表記されるを持つ事が示された。{2−12} それ故に、現状のマックスウェル-ヘビサイド方程式よりもいくつもの長所を持つ非可換ゲージ理論によって、古典的かつ量子力学的両方の意味において電気力学は表現される。マックスウェル-ヘビサイド方程式は通常、U(1)セクターゲージ理論としての標準モデルに現れるが、そこではベクトル積は定義により完全にゼロとなってしまう。これは矛盾である。なぜならこの共役積は、第三ストークス・パラメーター、及び磁気光学、そして逆ファラデー効果と輻射誘導フェルミ共鳴を典型とする良く知られたオブザーバブルであるからである。

 

 この論文では、電気力学の非可換構造が、一般に受け入れられている可換電気力学に対して、すべての条件下で因果律が保存されるという重要な優位性を持つ事が示される。マックスウェル-ヘビサイド電気力学においては、真空中を電磁場が生成源無しに伝播する無生成源領域が、自然界に存在するかも知れないと主張されれば、いつでも因果律は失われる。それ故、結果があって、生成源がない、即ち結果を生む原因がない事になる。非可換電気力学では、普遍的定数eは場と生成源、即ち原因と結果間の相互作用を測るが、場のテンソルのなかに常に存在し、場が元々、たとえ無限に近い遠方であっても生成源(電子)から発している事実の「徴」である。この結果は、電気力学についての非可換の概念の方が、eが存在しない無生成源領域があり得るという全ての種類の可換的概念よりも優越している事を明らかに示唆している。第二節では、非可換場のテンソルにはeが存在する事が、一般のゲージ場理論からのいくつかのアイデアを使って示され、その1つは所謂Evans-VigierB (3)で、これは真空中縦方向であり、共役積を普遍的定数で掛けたものである。第三節では、場の方程式が考察され、すべての条件下で因果律が保存される事も又示される。

 

2 非可換電気力学

 

 現代的ゲージ理論では、場のテンソルは共変導関数{13}、即ちパラレル・トランスポートを使って、ミンコフスキー時空におけるクローズド・ループから得られる。一般のn次元の場は、クローズド・ループに沿って移動され、フェイマンの「普遍的作用」であるところの一般に非可換内部インデックスを持つポテンシャルを含む共変導関数ととの間の相互作用が存在する。{2−13}ラウンド・トリップは、共変導関数の交換子が零でない事を示しており、それは次式で与えられる。

 

                                               (1)

         

因子は、このプロセスにおける場とのあいだの相互作用を指し示す結合定数であり、これは数学的に全く一般的な事である。もし結合定数が零であるなら、交換子は消えてしまう事になりこれは矛盾である。一般の場のテンソルは次式で与えられる。{13}

               

                                    (2)

 

ここにポテンシャルの交換子は一般に零でなく、非可換内部インデックスを持つ可能性がある。 {2−13} この交換子が電気力学において零であると誤って主張する事により、一般世間に受け入れられている見解に帰着し、次の見慣れた可換場のテンソルを生む。

 

                                                              (3)

 

ここにポテンシャルは内部インデックスを持たない。これはマックスウェル-ヘビサイド電気力学でお馴染みの4つの回転(four-curl)である。しかしながら、これは誤った手順である。なぜなら電気力学におけるは一般に複素数で、交換子は零でなく、それは第三ストークス・パラメーターと磁気光学における物理的オブザーバブルである。{2−12} 

非可換電気力学では、 なる量は、矛盾する事なく非零であり、{2−12}、物理的オブザーバブルを表現する。故に、完全な電気力学的な場のテンソルは、複素基底{(1),(2),(3)}上で、{2−12}

 

                 及びその巡回項                  (4)

 

このテンソルの成分の1つは縦方向磁場である。{14}

                                                            (5)

これは普遍的定数を乗数として含む。普遍的定数の解釈は、場の生成源(電子)と場との間の結合係数である。それは質量が場に存在する事を意味しないし、又、場がそれ自身を生成源として作用する事を意味しない。非可換電気力学では、場とその生成源の間には結合定数が常に存在するので、因果律は常に保たれる。可換(電気力学)の場合、これは交換子が零であると誤って主張する事により齎されるのであるが、結合定数は存在せず、それは可換電気力学が生成源の無い場である事を指し示している。これは原因のない結果であり因果律に反する。なぜなら電磁場は生成源から常に発生しなければならないからである。

 

 特殊相対性理論から{15}、光速で並進する2つの電荷は、反発も引き合いもしない事が良く知られている。よって2つの古典的非可換電磁ビームは相互作用をしない。この結論は、光子の質量が零であるという仮定から予言されている。

 

3 場の方程式

 

 古典的電気力学が、内部O(3)対称ゲージ空間 ((1),(2),(3)) を持つ非可換の形式で書かれた時、場の方程式は以下となる。

                                                                     (6)

                                                                    (7)

これは各々順に斉次、非斉次な場の方程式である。記号はO(3)対称共変導関数{2−12}を示し、場のテンソルは、内部ゲージ空間におけるベクトル量である。4元電流も同様に内部ゲージ空間のベクトルである。これらの方程式の与える影響は、広範囲に研究されてきており{2−12}、実験データとの矛盾は生じていない。実際、この方程式は、可換方程式である、現在受け入れられているマックスウェル-ヘビサイド方程式よりも遥かに整合性がある。{16}

 

 斉次な場の方程式(6)(フェイマン-ヤコビの恒等式{13})は普遍定数を含む事に注目する事が重要である。なぜならそれは、

                                                            (8)

と書けるからである。

この方程式にが現れる事は、場がそこから殆ど無限遠方の彼方に位置するかも知れぬ生成源の電子から発生している事実の「徴」である。方程式(6)に相反して可換な場合の方程式は、お馴染みの                    

                                                                      (9)

であり、結合定数は現れず、場は生成源の無いものと解釈される。すでに考察したように、これは因果律に反する。場は常に普遍定数を介して相互作用する生成源を持たねばならず、この定数は時間や距離に依存しない。

 

 非斉次な方程式(7)は4元電流の近傍で場を生成していると解釈される。普遍定数は生成源と場(量子化された形式におけるディラック場と電磁場)を結びつけるものとして、同じように解釈される。

 

論考

 非可換電気力学の古典理論を、量子電気力学における対応理論に拡張する時{12}、生成源(つまり電子)の存在は荷電光子の発生を防ぐのに、決定的に重要になってくる。もし生成源から場への結合作用が存在するなら、整合的で強力な非可換量子電気力学理論を発展させる事が可能である。この作用は普遍定数により表される。このような非可換量子電気力学から多数の新しい洞察が生まれており、再言するがこれは電気力学で交換子が零とはならない事実に基づいている。

 

 結論として、古典的非可換電気力学の場のテンソルと斉次な場の方程式におけるの存在は、因果律が常に保存され、場に対応する生成源が常に存在する事を意味している。これは可換電気力学における無生成源の場の概念に対する、大きな概念的進歩である。

 

謝辞

 

Many colleagues are thanked for extensive e-mail discussion of these concepts. Prof. Dr. E.

Kapuscik of the Jagiellonian University in Krakow is thanked for pointing out that e is the coupling constant between interacting fields. Constituent Institutes of AIAS (Alpha Foundation’s Institute for Advanced Study) are thanked for funding to individual members.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献

 

{1} C.N. Yang and R.L. Mills, Phys. Rev., 96, 191 (1954).

{2} M.W. Evans, “The Photon’s Magnetic Field” (World Scientific, Singapore, 1992).

{3} M.W. Evans and S. Kielich, “Modern Non-linear Optics” (Wiley, New York , 1997,

       paperback).

{4} M.W. Evans and A.A. Hasanein, “The Photomagneton in Quantum Field Theory” (World

       Scientific, Singapore , 1994).

{5} T.W. Barrett and D.M. Grimes (eds.), “Advanced Electromagnetism” (World Scientific,

      Singapore, 1995).

{6} T.W. Barrett in A. Lakhtakia (ed.), “Essays on the Formal Aspects of Electromagnetism”

      (World Scientific, Singapore, 1993).

{7} C. Hong-Mo and T.S. Tsun, “Some Elementary Gauge Theory Concepts” (World Scientific,

      Singapore, 1993).

{8} M.W. Evans, J.P. Vigier, S. Roy and S. Jeffers, “The Enigmatic Photon” Kluwer, Dordrecht ,

       1994 to 1999), in five volumes.

{9} B. Lehnert and S. Roy, “Extended Electromagnetic Theory” (World Scientific, Singapore,    

       1998).

{10} A.E. Chubykalo, M.W. Evans and R. Smirnov-Rueda, Found. Phys. Lett., 10, 93 (1997).

{11} M.W. Evans and S. Jeffers, Found. Phys. Lett., 9, 587 (1996).

{12} M.W. Evans and L.B. Crowell, “Classical and Quantum Electrodynamics and the B (3)

              Field” (World Scientific, in prep, 1999/2000).

{13} L.H. Ryder, “Quantum Field Theory” (Cambridge, 1987, paperback).

{14} M.W. Evans, Physica B, 182, 227, 237 (1992).

{15} A.P. French, “Special Relativity” (Norton, New York, 1968).

{16} J.D. Jackson, “Classical Electrodynamics” (Wiley, New York, 1962)