(3)で予告したマインドコントロールによる通信技術に関しては、関連周波数が、記載されている関係で、掲載を見合わせることにいたしました。また、検討中であったマックスウエルの電磁方程式につきましては、関西の方から、マックスウエルの原著「A Treatise on Electricity & Magnetism」の復刻本の存在を知らされました。現在翻訳作業中です。次回は、基本となる電磁方程式を、文科系の方にも分かるように紹介する予定です。
いよいよマックスウエル(Maxwell))の電磁方程式から削除されたベクトル・ポテンシャルの核心に迫ることになりました。今月はまず、一般に知られている(ベクトル・ポテンシャルの削られた)マックスウエルの方程式について簡単に説明したいと思います。これらの説明は物理を専攻された方には自明のものですが、今後の展開をそれ以外の方にもわかっていただくという目的をもっていることを念願において下さい。
| H‥磁場 E‥電界 D‥電束密度 B‥磁束密度 i‥伝導電流密度 ρ‥電荷密度 t‥時間 |
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1)式はAmpere(アンペール)の回路定理rot=iにマックスウエルが右辺に項を加えたものです。
(1)式を積分すると、コイルに電流が流れると右ねじの進む向きに磁場が発生するというアンペールの法則のことです。
(2)式は積分すると、変動する磁場B(磁束密度)に対し、電場Eが発生するというもので、磁石をコイルの中で出し入れすると電流が生じるというファラデーの法則として知られているものです。
(3)式は一目ではわかりにくいですが、積分すると、電気力線はプラスの電荷から発散し(div)、マイナスの電荷に吸い込まれることを意味しています。これは静電場のガウスの定理と呼ばれています。
(4)式も同様に積分すると、N極から磁場が発散する(div)。S極に磁場が吸い込まれることを意味しています。これは静電場のガウスの定理と呼ばれています。これが3式の静電場のガウスの定理と対称性をもっていないのは(右辺が0)、電気は、プラス、マイナスの電荷が単独で存在しますが、磁場は必ずN極とS極が対になって現れて、N極のみS極のみの単極子(モノポール)は見つかっていない為です。
N極から発散(div)したはずの磁場が、すでに対になっているS極に吸い込まれたもので、その状態が循環していることに(4)式は対応しています。
マックスウエルの電磁方程式は当時知られていた電磁気に関する方程式を統合したものです。しかし、ただ統合するだけでは総電荷が保存しなくなるため、マックスウエルは電荷保存法則を満たすよう変位電流の項を仮説として導入しました。これにより当時実験では発見されていなかった電磁波存在の予言と、光の電磁波説を打ち立てたわけです。
さて、ここからが本題に入っていくわけですが、ここで問題となるのは、電磁波存在の予言として打ち立てられたマックスウエルの最初の電磁方程式から何が削り取られたのかということです。今回は本題に入る前に、その予告としてAharonov-Bohm効果を検証したとして有名な外村彰さんの著作『ゲージ場を見る』(ブルーバックス・講談社)からの大変興味深い記述を紹介することで終わりにしたいと思います。
マックスウエルが、ベクトル・ポテンシャルを用いて電磁気の方程式を完成させたとき、マックスウエルはベクトル・ポテンシャルは物理量と考えた。ニュートンの運動方程式によれば、“運動量”の時間変化が力に等しくなる。運動量とは質量と速度をかけ合わせたものである。一方、マックスウエルが得た電磁場の方程式では、ベクトル・ポテンシャルの時間変化は単位電荷に働く力“電場”になる。かくして、マックスウエルは「ベクトル・ポテンシャルは電磁気的な運動量である」と考えた。ところが、30年後、ヘビサイド(O.Heaviside)やヘルツ(H.Hertz)は、マックスウェル方程式からベクトル・ポテンシャルを消し去ってしまう。彼らは無用なベクトル・ポテンシャルを捨て去り、「物理的意味をもつ電磁場だけを用いて電磁気を表現することによって、すっきりさせることができた」と主張している。以来、ベクトル・ポテンシャルは物理的意味を持たない、数学的な量だと考えられるようになった。この式が、現在、我々が大学で習うマックスウエルの方程式なのである。
外付 彰『ゲージ場を見る』P134より