.まとめ

  このシリーズは、当初わかりやすく電磁兵器の最新情報を提供することを目的にスタートしたが、私に情報を提供してくださる方々のおかげもあって、スカラー波の核心的部分にもふれることができた。同時に、多くの方から質問をいただき、その中にはもっと基本的なことを知りたいというご要望もあったので、スカラー波の基本性質について、電磁波との比較を通してふれたいと思う。

 読者の皆様は、スカラー波は縦波という記述を、よく関連書籍で目にされていると思う。電磁波は横波である。なぜスカラー波が縦波なのかという問題にはいる前に、そもそも電磁波とは何なのか、縦波と横波の違いは何なのか、今回はそれを簡単に説明したいと思う。

 まず電磁波の定義を辞書でみてみよう。

でんじは【電磁波】


電磁場の周期的な変化が真空中や物質中を伝わる横波。マックスウェルの電磁理論により、光やX線が電磁波にほかならないことが示された。(広辞苑)

 すなわち電磁波は振動する(周期的変化)電場と磁場によるもので、その周期的な変化は次のようになる。

周波数ν(ニユー) 周波数(振動数)を表す。一秒間におこる振動の回数、単位Hz(ヘルツ)波長


λ
(ラムダ) 波長を表す(ローマ字の1に相当、length)真空中で一回の振動によって電磁波の進む距離。

 

光速度C 真空中での光(電磁波)の速度を表す。


 先の波長と周波数の関係式は、この記号のもとで次のようになる。

     

 電磁波の伝わる速度Cは真空中で約(30Km/s)である。例えば、周波数30MHzの電波(電磁波のなかで送受信可能なものを電波という)の場合先の法則に従えば、

よって、

この電磁波は、横波であるが、この横波とは、媒質の振動方向と波の進行方向が垂直な進行波であり、電磁波の場合、電場と磁場が進行方向と直行している状態を意味する。

 では、スカラー波の基本性質といわれる縦波はといえば、波の振動方向と進行方向が一致している。わかりやすくいえば、縦波とは、音波などのことである。音波では、空気が伝わる方向に振動している(粗と密の部分が発生している)。スカラー波を、テスラは電気音波と呼んだといわれる。物理を専攻されていない方には、この縦波、横波のイメージがまだ充分ではないと思うが、この電磁波における横波、縦汲の問題は、専門に電磁気学を勉強していないと正確にはわからない。電界Eと電束密度D、磁界Hと磁束密度Bから構成される、現在知られているマックスウェルの基磋方程式からは、縦波の解は導き出せない。ベアデンの言うところの二名の科学者に削除されたポテンシャルの部分にその秘密が隠されているようである。

          参考文献 理化学辞典(岩波書店)

 最近、読者から本シリーズの感想が寄せられていることを知らされたが、それによると理科系の方々の興味は、「マックスウェルの電磁方程式から削除されたスカラー波部分」に集中しているようである。やはりここにきたかという感じだが、実は今まで紹介したベアデンの「Gravitobiology」の和訳は、どこからも出版されておらず、おそらく日本の研究者でもその内容を取り上げている人はいない。それゆえ、理科系の識者は、新鮮かつ衝撃的なものを感じとったのだと思う。ただ「Gravitobiology」の中に、マックスウェルの元の方程式から、何がどの様に削除されたかは詳細に記載されていないため、マックスウエルの元の方程式と、現在物理学で提示されているところのマックスウエルの方程式を比較検討してはどうかという提案があり、現在学術資料を検討中である。

 今回は前回に続いて、スカラー波の性質について紹介してゆこう。スカラー波の性質である縦波は、進行方向と振動方向が一致している波で、液体や気体といった流体内を伝わる、これが音波に代表されることは前回述べた。これは伸び縮みの波、すなわち荒い波とそうでない部分をもつ粗密波ともいう。これに対し電磁波の持つ横波の性質とは、進行方向と振動方向が垂直であり、これは、固体内を伝わる波にも見られる。固体内の波は、縦波と横波の両方が生じているが、これは、固体内には流体と違い弾性があるため、隣接し合った部分で引き合う力と、横にずれあう力が発生する。このずれ弾性が横波を発生させている。電磁波でいえば、その進行方向に対して、電場と磁場が垂直に振動している状態をさすのである(注)。

スカラー波の縦波性質の学説の起源は、やはりニコラ・テスラ(18561943)にあり、「真空中で横波である電磁波は伝わらない。電気的音波(縦波のスカラー波)こそが真空を伝わる」と主張していた。これは、スカラー波が真空中の場のゆがみであることを示唆しており、真空に粗と密の部分が発生しているのである。音は空気のゆがみであり、スカラー波も音も縦波なのである。なぜスカラー波が縦波なのかという根本問題については、ベアデンの指摘するところの「マックスウエルの電磁方程式から削除されたスカラー部分」の調査を待っていただきたい(物理専攻の方は、現在知られているマックスウエルの電磁方程式からは、縦波成分が導き出せないことはご存知だと思う)。

 スカラー波のイメージがまだ掴みにくい方のためにわかりやすく申し上げるなら、「スカラー波とは、私達が物質と呼んでいる世界の根源的な力場のようなもので、現在知られている地球の科学では、まだ完全に理解されていない。存在しているものすべてが電磁波の強弱であるならば、スカラー波はそれと表裏一体で存在する。スカラー波は重力波ともいわれ、そのことは、電磁力と重力の統一を示唆している。

このスカラー波が人工的に発生させられ、例えば兵器として応用された場合、その出力いかんで効果も変化するが、生態系に与える影響は絶大であり、細胞の不活性化や遺伝子への影響も憂慮される。」

 実際のところベアデンの著書には、頻繁に数式が登場し、スカラー波理論を完全に理解することは大変難しい。それで、比較的イメージの掴みやすいスカラー波の縦波的性質を簡単に紹介した。 このシリーズを読み、スカラー波についてもっと知ろうという気になっていただけたのなら幸いである。

 このスカラー波の完全解明が、まだまだ今後の科学の発展に拠るところが大きいということ、重要な示唆が織り込まれていることを見落としてはならない。

(注) 光の波動説に理論的基礎を与えたとされるFresnel(1788-1857)1821年、光の媒質としてのエーテル(当時空間を満たす蝶体としてのエーテルが仮定されていた)が弾性体であるとし、光はそれを伝わる横波であると唱え、なおエーテルの圧縮に対する弾性がきわめて大きいために縦波は瞬時に伝わり平衡が成立するとしたが、それは後の電磁波理論で否定された。


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